んっ、………もう朝か。


重い瞼を薄ら開けて、

窓から漏れて来る朝陽を確認すると、

前髪を掻き上げてゆっくりと上半身を起こした。



朝起きるのが、あんなにも怠くて面倒だった俺が

松波がこの家に来てからというもの

何故か、前ほど苦痛に感じなくなっていた。


恐らく栄養の整った食事と

毎日の晩酌を手加減するようになったからか。


すっかり奴のペースに流されてるな。


――――コンコンッ


「……はい」

「京夜様、朝食の準備が整いました」

「ん、今行く」

「はい」


ドア越しにかかる声。

その声は普段と何ら変わらない。

昨夜の様子を微塵も感じさせない声音だった。


………俺の考え過ぎか?



身支度を終えた俺はダイニングへ。


俺が席に着くのを見計らってスープを出す松波。

その仕草もいつも通りだ。

俺は気になり、ふと視線を上げた。

やはり、顔が浮腫んでいる。

瞼なんて、くっきり二重が見事に一重に。


やっぱり、俺の見間違いじゃなかったんだ。



俺の相向かいに座った松波は、