毎度の事、『雷魔ビーム』を放出。

有無を言わさぬその目力、ホント威力は絶大だよ。


根負けした私は思った事を素直に口にした。



「キ、キスするって事は、箸を付けた物を口にするのと同じだと思いますが……」


恥かしさを押し殺して口にしたのに、

彼からの反応は皆無。

………何で無いの?!


ちょっと!!

何でもいいから言ってよッ!!


私の言葉に呆然としている彼。

何度も声を掛けてみるが、聞こえていない様子。


ホントに何なの?!

自分から聞いといて、無視するってアリ?



これだから魔王の相手は大変なのよ!!


私は京夜様を放っておいて、自室に戻る事にした。



居たら居たで大変なのに、

居ないと何故だか落ち着かない。


………本当に何なの?!



やり場の無い想いが空回りする。

『男』ならドーンと構えてろってのッ!!


彼が稽古相手なら思いっきり投げ飛ばす所だけど、

相手が相手なだけに言いたい事も言えないじゃない!!


あぁ~~余計にムシャクシャする!!