「なぁ、松波」

「……はい」

「普通……、恋人が箸を付けた物は平気で食べるものだよな?」

「へっ?………そうですねぇ」

「気遣いなく、ホントの事を言っていいぞ?」

「………はぁ」


俺の真剣な眼差しに負けたのか、

松波はポツリポツリと話し始めた。


「女性は、京夜様の言うような行動を通して、相手の気持ちを量っていると思います」

「気持ちを?」

「はい。親密になればなるほど、無意識に、互いに相違の無い事を確認しているというか……」

「………なるほどな」

「えっと、……その……」

「ん?………何でも言ってくれ」


松波は少し言い難そうに顔を歪めた。

けれど、こんな話、

他の奴に聞く事さえ出来ない俺は、

松波の言葉を素直に聞きたいと思ってしまう。


俺がじっと見据えると目を泳がせてしまうので、

仕方なく、目を瞑ってやった。


すると、