「では、お言葉に甘えて、お食事のみご一緒させて頂きます」
営業スマイルとでもいうのかな?
半引き攣り笑いを浮かべて、会釈した。
私の言葉を理解出来ない訳じゃないよね?
顔を上げた私は作り笑いで彼女を見ると、
物凄い形相で私を睨んでいる。
………彼に分からないように彼の背後から。
まぁ、そんな事だろうとは思ったけど、
私だって『風月』のお料理を食べたいもん!!
仕事の打ち合わせ等でよく使うこの料亭は
彼の舌を唸らせるほどの絶品料理の数々。
私もすっかり顔を覚えられ、
女将の贔屓待遇を受けるようになったばかり。
そんなイチオシの場所に
彼女を連れて来たくは無かったのが今の本心。
………これって、嫉妬ってやつなのかな?
彼の言葉に渋々納得した彼女はツンとした表情を浮かべ、
私とは一切視線を合わせないようになった。
まぁ、それはそれで有難い。
私も2人の邪魔をしないように空気に徹すると致しますか。



