私はエレベーター内でさり気なく誘導尋問を試みた。
彼女の名前は大倉いづみ・25歳。
父親が外交官で一人娘、現在一時帰国中。
『秘書なら知っておくべきだわ』と言わんばかりに
自慢のように話し始めた彼女。
謙虚さなど微塵も無い。
事もあろうか、私と同じ歳?
ありえない!!
こっちは魔王のお世話を24時間してるってのに!
何? 海外生活??
同じ一人娘でもここまで違うなんて……。
その絵に描いたようなお嬢様が、
あの魔王のお相手ですって?!
一見、お似合いのようにも見えるが、
当の本人、京夜様が
ちょっと不機嫌っぽく見えるのは気のせい?
ってか、いつの間にそんな話になってる訳?
2人の会話がイマイチ呑み込めず、
呆然と立ち尽くしていると………。
「松波」
「はっ、はい!」
「ボーっとしてんな、行くぞ?」
「へ?……あっ、はい!!」
私の横を颯爽と通り過ぎる彼。
そして、その彼の腕に絡みつく女が1人。
そして、その2人を追うように魔王の臣下が1人。
何だか波紋を呼びそうな構図で専務室を後にした。



