目の前の光景に唖然としてしまった。
私が声を掛けに来るのを待っていたのか、
帰り支度をしていたであろう彼は、
ちょうど背広を羽織った形で硬直していた。
だって、だって、
そんな彼に抱きついている人物が……。
「ちょっ、……おいっ!!」
「ヤダ、京夜さん。私の名前を忘れたとは言わせないわよ?」
如何にも目でウッフンと言わんばかりの視線を浴びせているが、
目の前の男はそれをものともせず――――。
「一体、何の真似だ」
「え?」
……あぁ、やっちゃった感がビンビンするんだけど?
内心冷や冷やしながら2人のもとへ歩み寄ると、
「松波、説明しろ」
ひょえぇぇぇ~~~!!
何でとばっちりがこっちに??
マイナス1000℃のレーザービームと
心臓を一刺しする程の破壊力の魔声で
一瞬で顔が引き攣る……私。
視線を逸らす事さえ許されず、
仕方なく、軽く会釈した。



