三上さんが逃げたくなるのも分かる気がする。
ちょっと刺々しい視線が堪らなく不快感を与えている。
私は意を決して、口を開いた。
「御影とは、事前にお約束を?」
彼女が会社に来る予定なんて聞いてない。
きっと、彼女が勝手に会いに来たに違いない。
こういう時は冷静に対処せねば……。
私は彼の護衛役であり、秘書な訳だから。
私は丁重にお断りをしようとした、次の瞬間!!
「私が来る事、彼は知ってるわ」
「え?」
勝ち誇ったような視線を向ける彼女。
何故か、それが私に対して挑戦的な態度に感じてしまった。
「……左様にございますか。では、御影に確認を取りますので、今少しお待ち下さいませ」
やっとの思いで言葉にし、内ポケットから携帯を取り出すと
「約束してるって言ってるでしょ?!聞こえなかったの?」
「えっ?!」
彼女は腕組みしながら眉間にしわを寄せ、
全身で嫌悪感を露わにした。
ちょっと、何なの?……この女!!
ここは会社のロビーなのよ?!
変な噂でも立てられたらどうするつもり?



