俺は重い空気をどうにかしたくて、
咄嗟にオーディオを付けてみた。
御影の車(親所有)だから、
大して良い曲なんて入ってないだろうと思っていたが
意外にも心地良い曲が流れだした。
すると、彼女はその曲を聴き入るように目を閉じ、
蝋燭の炎がフッと消えるように急に黙り込んだ。
俺はそれを合図と取って、
オーディオのボリュームを少し上げた。
暫くすると、ウトウトとし始めた彼女。
俺はそんな彼女を見て、ホッと胸を撫で下ろした。
『女』を車に乗せ、ドライブするだけで
こんなにも疲れるとは思ってもみなかった。
こういう事って、場数を踏んだらマシになるモノか?
というより、彼女のトークが凄すぎて
ちょっと冷めている自分に気が付いた。
会う前は心臓が飛び出るくらい緊張してたのに。
今は面白いほどに冷静でいられる。
いい意味でなのか、そうでないのか、俺には解らない。
ただ言える事は、彼女の違う一面を見てみたいという事。
大人の女性になった彼女をもっと知りたいと思った。



