「そのバイクって、二人乗り出来るんですか?」
「へ?」
「京夜さんが運転するバイクの後ろに乗ってみたいです」
「……………」
――――――バイクの後ろに………乗る?
バイクは運転するモノであって、
誰かを後ろに乗せようとだなんて考えた事が無い。
松波とツーリングするのだって、
奴は俺とは別に、自走している。
………そうか。
普通なら、女は後ろに乗るものだよな?
考えもしなかった事を言われ、
脳内が軽く停止した。
俺が返答に困っているのを察してか、
「あのっ、別に無理にでは無いので、気になさらないで下さい」
「………ん」
俺はまだ躊躇っている。
こうして会話しているというのに、
それでもまだ、信じられない自分がいる。
別にバイクの後ろに乗せるのなんて無理じゃない。
ただ、彼女を乗せて事故にでも遭ったら……。
そう考えただけで背筋が凍る。
俺は色よい返事が出来ないでいた。



