星形のヘアピンを手渡すと、指先でギッと抓み
「そうですよね?……分かりました」
そう言って、それを鞄へ収めた。
「それから………」
「はい」
「尋ねたい事が幾つかあるのだが……」
「はい、答えれる事であれば何でもお答え致しますが」
くるんと巻かれた睫毛が印象的な彼女は
キュッと口角を上げて、微笑んだ。
それを見た俺は、
脳内の記憶がピキッと痛んだ気がした。
実際は記憶なんて痛む事は無いのだけれど、
何故だか、脳の片隅で記憶の何かが訴えている気が……。
俺は目の前の彼女と
記憶の世界に住む『あの子』を照らし合わせて
聞きたかった事を幾つも質問した。
大倉いづみ・25歳
父親は外務省に勤務しているらしく、
海外暮らしが長かったらしい。
幼い頃に親に連れられ、
御影の屋敷に何度も来ていた……と。
『常に表情を崩さず、笑う事さえしなかった』
……それが俺の印象だったらしい。
そう言われれば、そうだったかもしれない。
あの頃から既に、
『御影京夜』が出来上がっていたのかも。



