「貴様、俺の怒りを余程買いたいらしいな」
「えっ、あっ……あの……」
言葉を詰まらせる松波。
そんな奴を見て、更に怒りのボルテージが上がってゆく。
「あぁ?さっさと言えよッ!!」
「ッ?!!」
一瞬怯んだ松波は意を決したのか、
俺をジッと見据えて………。
「開け方が分かりません」
「はっ?」
「だから、開け方が分からないんです!!」
「………」
フッ、そういう事か。
俺の愛車はガルウィング。
ドアを真横に開けるのではなく、
ほぼ垂直に真上に開ける仕様のドア。
開け方は他の車と大差ないが、
取っ手を握って、引く方向を上にスライドさせるだけ。
だが、ドアも車体と同じで重厚感がある。
慣れなければ開け辛いだろう。
だから、みかも俺に開けさせるのだから。
けれど、そんな説明をするのは面倒だし
わざわざ開けてやるのはもっと面倒。
「乗れ」
「えっ、だから開「誰もドアを開けて乗れとは言ってない」
「へっ?」
「幸い、今日はオープンカーだ。お前の長い脚なら跨げるだろ?」
「ッ?!!」
「んッ!!」
俺は有無を言わさず、顎で催促した。



