パチンッ!!
俺の指先が奴の胸元部分を広げるように掛けたと同時に
奴の右手が俺の左頬に平手打ちを食らわした。
キッと睨むように俺を見ている。
女に手を上げられたのは生まれて初めてだし、
正直、奴の胸が想像よりあったのにも驚いた。
奴が拳や蹴りでなく、平手だったのが意外だが
………これも俺の計画通り。
俺は拳で殴られたり、
ローキックを食らう事くらい覚悟していた。
「フッ、貴様、何をしたのか分かってるのか?」
「………」
「俺様に手を上げるとは、いい度胸してんな」
「………」
俺はわざとらしく、叩かれた頬を擦り
「覚悟は出来てんだろうな?」
「………もう、降ります」
「あぁ?」
「だから、この仕事から降ります!!降ろさせて下さい」
「却下」
「へ?」
「だから、却下。さっきも言ったはずだ、職務続行だと」
「…………でも」
「でもじゃねぇ。散々コケにしておいて、挙句の果てに手を上げたんだ。責任は取ってしかるべきだよな?」
「………」
涙目で口を噤んだ松波。
そんな奴の手首を掴んで……―――……。



