――――最終チェックにも余念がない。


「どう?」

「あぁ、まだここにいる」

「なら、決まりね♪」


ウフフフッと見た目は愛らしいような笑みを浮かべているが、

その瞳の奥は悪魔が見え隠れしている。


俺は携帯のGPSで奴が俺と同じ場所にいる事を確認。


一昨日、奴に渡した携帯は

俺の携帯から居場所が分かるようにしてある。


24時間の護衛という事もあり、

仕事で使えと手渡した。



だからって、今日1日持ち歩いているとは限らない。

実家へ置いて来る事だって出来ただろうに。

だが、俺は確信していた。


―――――奴が持ち歩くと。


根が真面目な奴だけに、

きっと、休日中も持ち歩くだろうと。



「なぁ、俺どう?」

「どうって?」

「いつもの俺と同じに見えるか?」

「う~ん、見慣れてるから分からないけど、どうかしら?」

「パッと見で俺だって気付きそうか?」

「そりゃ、分かるでしょ。京夜みたいなイケメン、そうそう居ないもの」

「………」

「まぁ、私はスーツ姿の方が好きだけど」

「フッ、それはどうも」


手にしていたグラスをテーブルに置いて、