「主任、私……何かしたんでしょうか?」

「さぁな?とにかく、早く行って来い」

「……はい」


口から魂が抜け出すかのように、弱々しい声が漏れ出した。

私はずっしりと重い足取りで、本部長室へと向かった。




私は現在、警備管理部に勤務している。

通常は社員の勤務編成や顧客からのセキュリティーアラームの対応など、デスクワークが中心。

警備会社に就職したといっても、事務職と差ほど変わらない。


私にとってここは天国、憩いの場。

今まで背負って来た父親からのプレッシャーも、ここには無い。



本部長が私に……何の用??

お叱りを受けるようなヘマは、してない筈だけど。