「何故、分かった?」

「一目瞭然じゃない」


テラスの端の席に座った俺ら。

俺はアイス珈琲、みかはケーキセットを注文した。

そして、何食わぬ顔で運ばれて来たアイスティーに口を付けている。


一目瞭然?

腑に落ちない俺は、窓越しに店内へと視線を移すと

何故か、店内の客はおろか、店員まで俺らを凝視していた。


みかと居ても注目の的になる事をすっかり忘れていた。


条件反射で顔を背けた俺は、

無意識にアイス珈琲を口にして、

目の前の澄ました顔をしているみかへと視線を移した。

すると、


「今、店内にいる女性で髪がショートの子、2人しかいないじゃない」

「は?」

「で、1人は店員。だから、残りがそのターゲットって事よね?」

「………マジで?」

「京夜は女性と目を合わすもの嫌だろうから、私がチェックしといたわ」


―――――さすが、みか!

俺の短所を上手くカバーしてくれる。


「で、座ってるから分かり辛いけど、女性にしたら長身だし」

「………」

「それに、スタイルがアスリートっぽい」

「は?」

「無駄な贅肉がなくて、背筋がスッとしてるから」


―――――――侮れないな、コイツの眼力。