そんな彼女らをジッと眺め過ぎたらしく、

周りの視線に気が付いた女性が徐に

店内やテラスにいる他の客を見回し始めた。


そして、テラスの端にいる私達へ視線を向け、

当然のように視線が合う。

だって、私達はずっと見ているのだから。


すると、その美女は恥ずかしそうに苦笑した。


ゆっくりと指先で横髪を耳にかけ、

少し俯き加減で飲み物を口にした。


そんな仕草1つでさえ、可愛らしい。

美人がすると、何でも絵になる。



私と朱夏はさり気なく、会話を始める。

けれど、会話の内容はやっぱりあの2人だけどね。



「本当に羨ましい」

「うん、ホントに」

「女性の人も性格良さそうね」

「うん、視線がバッチリあったのに、睨んだりしなかったし」

「うん」



私が振り返らない限り、視界に入って来ない。

けれど、朱夏は違う。

私と話をしていても、さり気なく彼らをチェックしているみたい。


「朱夏、見過ぎじゃない?」

「う~ん」


………聞いてないよ。

私の言葉をうわの空で聞いている。


すると、