「何、ボーっとしてんの?」

「へっ?」

「入るよ?」

「あっ、うん!!」



相変わらず、性格は男前の朱夏。

見た目が女の子らしいから

男は皆、騙されるけど

私はサッパリしている朱夏が好き。


彼女の後を追うように店内へと入ると、


テラコッタ調の床に所々に飾られた観葉植物。

店内に漂う香ばしい豆の香り。

そして、絶妙なバランスで計算された採光。


癒しの空間とでも言うか、

心から寛げる……そんな感じ。



「希和、テラスに行こう」

「えっ?」


この店の常連客の朱夏は

お天気が良いからと、テラスへ向かう。


カフェテラスで優雅に珈琲だなんて、

―――――――贅沢過ぎる!!


お洒落なお店に入りたくても勇気が無くて、

朱夏がいないと行く事すら出来ない。

今日は本当に『朱夏』様様だわ。


朱夏はアイス珈琲、私はアイスカフェオレ。

で、お決まりの『ケーキセット』

……夢のまた夢が、今日はオンパレード。

朱夏に心から感謝だわ。


注文した品がテーブルに届き、早速戴く事にした。


すると、