―――――――ドンッ!!


「す、すみません!!」


急に立ち止まった俺の肩にぶつかった松波。

慌てた様子で頭を下げている。


フフッ、面白いことを思いついた。

俺って、天才かも。


脳内で目の前のコイツの処刑方法を思い描き、

無意識に頬が緩みそうだ。



「どうかされましたか?」

「お前、何か頼まれたんじゃないのか?」

「へ?」

「ん」


俺は指を立て、目の前のショップを指差すと

思い出したかのように目を見開く松波。

………やっぱりな。


今朝、実家に呼ばれたのも

恐らく、これもあっての事だろう。



上流階級の世界は見栄の張り合い。

パーティーや宴が開かれる度に

新しい衣装を一式揃える。


元々、パーティーなんてモノに興味は無いし

隣りに『女』がいるというだけで苦痛なのに

何故、そんな事の為に

ワザワザ新調しないといけないのか。