恐る恐る彼のもとへ行くと、
「お前が選べ」
「はい?」
「チッ、何度も同じ事を言わせんな」
「ッ!!」
京夜様は片手を腰に当て、
不敵な笑みを浮かべている。
そうよ!!
地雷を踏んだ私への戒めなんだわ。
どどどど、どっ、どうしよう。
5着の中から1着を選んだところで
恐らく、正解はない。
どれを選んでもきっと、
難癖をつけるに決まってる。
一体、私はどうしたらいいんだろう。
スタッフの視線を気にしながら
無い答えを探し求めていると、
「おい、早くしろ」
「はっ、はい!!」
容赦なく、重低音が耳につく。
はぁ~、とりあえず、選ぶしかないか。
私は5着の中から、
ダークグレーのスーツを手にした。
銀糸が織り交ざっているのか、
滑らかな肌触りの中に光沢感があり、
上品な艶が生地全体から感じ取れる1品。
細身の彼に合うハズなのだが……。



