私の肩を抱き寄せる京夜様の腕に力が…。


「おい、コイツに気安く触んな!!触れていいのは俺だけだ……覚えとけ!」

「………」


はあぁ~~ぁ~~言っちゃったよ。

この状況でそのセリフを……。


当然の如く、パニクる新垣さん。

そんな彼女を余所に、


―――――――チュッ


「?!////////」


突如、こめかみに柔らかいモノが触れた感覚と

耳元を犯す、艶めかしいリップ音。



毎々、予想も出来ぬ彼の行動。

悪魔の刻印を押されたかのように

身体から力が抜けてゆく。


「ったく、勝手に俺から離れるから、こういう紛らわしい事になるんだろうが」

「………」


本当の恋人同士なら、

甘い囁きに取れるセリフも

彼のテールボイスにかかると、

何だか、死の宣告のように聞こえるのは気のせい?


再び、抱き寄せる腕に

グッと力が込められた所を見ると

相当、ご立腹のご様子。


恐る恐る視線を上に向けると……。


ッ!!!

ひょえぇ~~ぇ~~怖いんですけど~~。


ギロリと鋭い眼光が突き刺さる。