「んッ?!」

「えぇっ?!!」


ぐらりと視界が揺れたと思ったら、

軽い衝撃と共に頬に柔らかな布地の感覚。

毎日、触り慣れている……アノ肌触り。


優しい光沢としっとりとした質感。

ゴワゴワ感が全くない……最高級のスーツ。

ーーーーそう、京夜様の……。


「ッ!!」


京夜様の思わぬ行動に絶句する新垣さん。


そして、


「お宅んとこ、何やら立て込んでるっぽいけど?」

「へ?」

「チッ!これだからバカ女は嫌なんだよ。アンタの上司の携帯にトラブルの連絡が入ったって言ってんだよ!」

「?!」


手加減なしに暴言吐きまくりの京夜様。

そして、硬直する新垣さん。

……無理もない。

ほんの数分前迄とはまるで別人だもの。


「えっ……あっ……」


金魚のように口をパクパクさせながら、

京夜様と私を交互に見直して。


この状況下で、適当な言葉が見つからない。

私は頬を引き攣らせながら、苦笑い。


すると、