そもそもアイツの声が震えていたのは、

ただ単に『女』だとバレそうになって

動揺しただけなのかもしれない。


――――――――いや、多分そうだ。



それにアイツの笑顔。

初めて見た時から違和感があった。


妙に女っぽくて可愛らしくニコッと微笑み

不覚にも、毎々ドキドキさせられた。


俺はてっきり、

あっち系の奴なのかと思ったし、

下手したら、

俺があっち系の住人かと錯覚した。



はあぁぁぁあぁぁ~~~。

マジですげぇ悩んだのに……。


何だか、無性に腹が立って来た。

俺はアイツに踊らされていたのか?


アイツが『女』だと、

気が付かなかった俺も俺だが。


よくもこの『オレ様』を……。

いけしゃあしゃあと抜かしやがって!!



マジで自分が情けねぇ。

何故、『女』だと見抜けなかったんだ?。


無意識に大きなため息が零れ出す。



静まり返る部屋の天井をじっと見つめて

数分前の出来事を思い返していた。