「先輩、お疲れ様でした…」
「おぅ…お疲れ…」
唖然としている石島先輩を部屋に残し
護衛の男性2人に囲まれ、
社長夫人の後を追って……。
会社の前に横付けされた
黒塗りの車に乗せられた。
すると――――。
「突然、ごめんなさいね」
「あっ、いえ…」
「凄く綺麗になったのねぇ」
「えっ?」
「吉沢、一先ず店へ回して頂戴」
「はい、承知致しました」
吉沢と言う運転手の男の人が車を発進させた。
社長夫人は私の手を握って…。
何故か、まじまじと顔を見つめられ…。
「あの…」
「何かしら?」
優しい笑みを浮かべて私を見ている。
何だろう……この感じ。



