「俺のはシャンパン・カクテル。角砂糖を入れたグラスに、アンゴスチュラ・ビターズっていうのをふりかけてシャンパンを注ぐ。最後にレモンピールで完成だ」

「アンゴ…何ですか?それ…」

「これは薬草や香辛料から作られていて、隠し味や風味付で使う物だ。まぁ、使い方は人それぞれだが、解熱、強壮の効果もあるから胃薬として使う人もいる」

「へぇ~凄いですね。そのアンゴ……何とかというお酒」

「アンゴスチュラ・ビターズ。シナモンやナツメグ、コリアンダーなどから作られるから、料理にも使えるかもな」

「えっ?!本当ですか?では、京夜様。お料理に使ってもいいですか?」


またしても瞳をキラキラさせて俺を見る。


「あぁ、好きにしろ」

「ありがとうございます!!」

「そんなに嬉しいか?」

「はい!!だって、他にする事が…あっ」


慌てて口を押えた松波。


「……そうか、そうだよな。完全に隔離してるようなものだしな」

「あっ、いえ……そういう意味で言った訳では…」

「いや、いい。気にするな。嫌な想いをさせてすまない」