「松波、知り合いか?」
「あっ、はい!!えっと…その…」
「希和さんは息子の婚約者になる方なんですの」
「!!!???」
石島先輩は驚き、勿論、私も驚愕した。
「希和さん、そろそろ宜しいかしら?」
「………はい」
「おい、松波。何がどうなってんだ?お前、婚約するのか?」
「あっ…えっと…その…」
「突然押しかけて申し訳ありません。今日は午後からお休みを頂いてるのよね?」
社長夫人に優しく問われて…
「……はい。先輩、先程本部長へ報告して来た所です」
「はぁ?本当なのか?」
「あっ……はい」
何がどうなっているのかサッパリです。
私はいつから婚約する予定の女になったのでしょうか?
彼氏だっていないはずなのに…。
先輩が見つめる中、
私は渡されたファイルを鞄に入れ
社長夫人のもとに。
とりあえず、この場から出ない事には。



