現代の感覚で〈芸能〉というと「タレントの結婚・出産」的なワイドショーを想起するが平家時代の〈芸能〉は、その感覚と異なる。つまり〈芸能〉とは王権による「まつりごと」の祭祀と儀礼に付随するハレの行為であり、厳密なルールの下で成立していた。2012.0101 12:56:38

 例えば『禁秘抄』という承久3年(1221)に順徳天皇自ら著した書物の「諸芸能事」という項目では「第一に学問である」と規定(1のp108)される。〈学問〉とは四書五経を始めとする体系化された先例の集積である。学問が芸能と規定されるのも現代の感覚と異なる。2012.0101 13:05:47

 今ふと学問と管弦が同じ〈芸能〉としてくくられていることを思うと「技を体得して、それを顕在化させる」という〈才(ざえ)〉という根源的な構造の相似に行きつく。〈構造〉として〈芸能〉がカテゴライズされていたのは注目すべきだろう。〈芸能〉には演ずることが付随する。2012.0101 13:56:06

 ちっとも進まんな。予定の1/4だ! 現代には『禁秘抄』的な芸能が皆無であるかと言えば否。例えば昨年(2011年)、天皇陛下が三宅島で被災した犬の映画をご覧になったのとは特筆すべきだろう。そのような報道は異例では? もっとも歌会始も芸能だ。今日はここまで。2012.0101 14:02:45