「えーっ、もうヤダ!意地悪!」 「はは、だって本当の事じゃん」 あぁ、また今日も。 教室の入り口で話している、彼とあの子。 その2人から目を逸らし、席を立つ。 教室の後ろで集まっている友達の所に行き、話しながらもやっぱり2人を見てしまう。 そしてまた、視線を落とした。 あたしは、小澤愛美(おざわめぐみ)。 そして“彼” ……好きな人は、中川洸(なかがわこう)。