男女は手をつないでは離し、視線を絡み合わせます。



『帰っちゃいや』


『また明日、学校で会えるだろ?』



そんな会話をアテレコしたら、きっとぴったりではないでしょうか。


……ドキドキするなあ……


おとなしい腐女子のお相手は、なんとも普通の男の子でした。


髪は黒く、背は低く、痩せ型ではあるけれど、とても優しそう。


二人はとてもお似合いに見えました。



「……ん?」



うっかりそちらに集中していたら、足元に違和感を感じました。


なんだか、温かいんですが……いや、冷たいのか?


そちらを振り向きます。



「にょ、にょお(NO)~!!」



ボクの足元には、片足を上げてマーキングしているわんこがいました。