「見える?これ、あんたから受けた傷。治らないの。わかる?」 母は目を見開いた。 「あたし、出てくから」 その言葉に、母は 「そんな勝手に許されると思ってんの!?」 と怒鳴った。 するとみんこは、母の左の頬を平手打ちした。 母はただ驚いている。 「あたしの痛みは、こんなもんじゃない…」 みんこはそういって床にしゃがみこみ、涙を流した。 僕達は、なにもできない非力さにただただ苦しみを覚えた。 みんな目を伏せ、茫然と立ち尽くすことしかできなかった。