「…え?」 腕の中で小さなゆりは微かに震えた。 「お前の我慢は見飽きた。 俺を頼れ! いや… 俺じゃなくていい! みんこでもせりくでもいいから…!」 秋の風が冷たく頬を打つ。 ゆりは腕の中で震えている。 「お前が…体弱いだけじゃなくて… 病気だってこと… 知ってんだよ…俺ら……。」 ゆりの肩がピクリと動いた。 そして細くて小さなゆりはゆっくり腕をほどいて僕を見つめた。 目が微かに潤んでいる。