あの花を何度でも愛そう





「あらゆりちゃん。また白くなって〜。大丈夫?」





今夏なのにまた白くなるとかある意味ばけもんだぞ…。


と、僕は1階から聞こえる会話に
心で突っ込みを入れた。





「一哉なら今部屋でゴロゴロしてるわ。
ええ。毎日ゴロゴロと
フンコロガシのように邪魔だわ」

母さん…。
僕をフンコロガシと一緒にしないでほしい…。




「いちや、やつほう」





部屋にひょこっと顔を出したゆりは
確かにまた白くなっていた。






「…夏の妖怪」





僕はぼそっと呟いた。