当の彩名は何か気にした素振りをすることもなく、高木くんにパン余ってるか、なんて聞いてる。 「ん、ああ。あるっちゃあるよ。」 「さすが運動部。食べ物の消費やばいもんね。てか燃費悪いよね。」 「悪すぎるわ。食っても食っても足りない。」 「見せて。」 彩名は高木くんが取り出したビニール袋の中身を興味津々で物色する。 「食っても食っても足りないならさ、ひとつ減っても変わりないよね?」