一君の自室まで来ると 「一君!!」 ――スパンッ 襖を豪快に開け中に入った。 「そう、じ……あれは、夢ではないよな?」 「夢じゃないよ!!姫時ちゃんは 夢でも幻でもない!!」 部屋の中で 硬直する一君のかたをつかみ。 前後ろに揺すった。 「帰ってきてしまったのか」 ボソリと呟く一君の目には 悲しみの色が浮かんでいた。 姫時ちゃん…… 僕、まだ君にいろんな事 伝えきれてないよ――――