“!!…………ふふッ。そうですか…なら帰らせるわけには行きませんね” 優しそうに笑いながら彼女は言った。 私はドアノブから手を離して、彼女の前に立った。 『その代わりに、二つ頼んでいいですか?』 “私にできることならば、なんでも……” コクリと頷いた彼女を見て、私はグッと手に力を入れて言った。 『平成の世から……私の存在をけしてください』 私の頼みごとに、彼女は目を見開き “よいのですか?” そして、ゆっくりと聞き返した。