“そして、今の立場からずっと妹を見ていました……”




『そう、だったんですね』





“私の声は届きはしない。私の手は彼女に触れられない……”





触れたくても、声をかけたくても




――――それは許されない。





自分の手を見つめながら、呟く彼女の思いに胸が張り裂けそうな感覚になった。





『……白蘭さん』




“ですが姫時さんが…あの子を助けてくれた。もう私に心配の種はありません”





そういいながら微笑む彼女には、一点の曇りもない。