抱きしめられた飯塚ちゃんは、吃驚したように目を見開いて。それから涙を流し始めた。




「何もしてやれなくてごめんね……。あんたの居場所をつくってやれなくてごめんね!」




「親孝行どころか……酷いことして、ごめ……なさい!!!!」




咲月さんの腕の中で、フルフルと首を振って叫んだ。




そんな二人の姿を見つめながら。





『よかった……』




――――バタンッ





私は、意識を失った。