総司・飯塚ちゃん・私・松本先生・一君(予定外)は無事一軒家の前にたどり着いた。
「ココが咲月さんの家だ」
松本先生は、振り返って私たちに視線を向けた。
「俺は、これから行く予定の場所がある。君たちだけで行ってきてくれるかい?」
『あ、手みあげ忘れた』
今更ながら手ぶらできたことに気づいた私は、自分の馬鹿さを呪った。
「いいさ、そんなこと気にする子じゃない。それじゃあね」
御礼を言うと松本先生はアッハッハッと笑っていってしまった。
とことん性格が藤次郎さんに似てるな……。
そんな事を思いながら、松本先生の背中を見つめた。


