「もう既に巡察は終わった。 先ほど屯所へ帰り平助よりあんたたちが飯塚をつれ出て行ったと聞いて 後を追ってきたのだ」 『匂いをかぎわけて?』 「俺は犬ではない」 ブスッとする一君を見て総司はゲラゲラと笑った。 こんな予定ではなかったのに……。 グスンッとなっている私の手に何かが触れた。 見るとそれは手 そう、飯塚ちゃんの手だった。 『飯塚ちゃん?』 「……」 彼女は無言のまま私の手を握り、松本先生についていった。