『お母さん。その置物の猫…生きてるってことはないよね?』 《生きてる!?それは、ホラーね。そもそも、猫を数日間箱に閉じ込めるなんて無理よ》 『そ、だよね』 色々ありすぎて、今頃気がついた。 猫が密封された箱の中で、数日なんて生きられるわけがない……。 なんで気がつかなかったんだろう。 《姫時?どうしたの?置物の猫が、生きてた?》 しばし黙る私に、お母さんは電話越しに心配そうに聞いてきた。