少し時間が経ってから、スッと襖が開いた。 「ご、めなさ……い」 襖の開けた飯塚さんの目は痛々しいほどにはれている。 いまだにポロポロと涙を流す彼女の涙を着物の袖で優しく拭いた。 『許さない。あんたがしてきたことを、私は絶対に許さない』 その言葉に、彼女の肩がビクッと揺れて恐怖の色が瞳を支配した。 『といいたい所だけど。私何もされてないし……謝る必要ないって』 ニッコリと笑う私と対照的に彼女は目を丸めて吃驚している。