『咲月さんの居場所を、ご存知ではないでしょうか』
「……」
彼が一瞬目を見開き動揺したのを見て、知っているのだと確信した。
『彼女と話がしたいことがあります。しかし、新撰組の方の中には彼女の現在の居場所を知っている方はいません……。
彼女がどこに居られるのか教えていただきたい』
「…何故、俺が彼女の居場所を知っていると知ったのだ」
『ある方より頼まれました。松本先生に彼女の居場所を聞いて誤解の糸を解いてほしいと』
詳しくは話さなかったが、居場所を教えてくれと頼んだ。
松本先生は俯いて“う゛~”とじばし唸った後顔を上げた。


