「どうにも、猫の体は面倒だよね」 「あぁ、それは俺も感じた」 『そうなんですか?』 二人の話を聞きながら、 私はカップラーメンの容器の中に箸を入れ麺を掬い取って口に運んだ。 「当たり前でしょ。今までしてた事ができなくなるんだから…」 「食事などがいい例だな。手が使えぬことがこれほど難しいことだとは…」 モグモグと私特性のねこまんまを、食べながら斎藤さんは私を見上げた。 「それでだな。俺はこの時代のことを何も知らない…。いろいろと教えてくれないか?」