そして、その箱をもって飯塚さんは何処かに走っていった。 追かけないと、あの箱をどうされるかわからない そう考えると、頭より体が先に動いた。 「お、おい!!姫時!」 背中に一君の声が聞こえたけど、足を止めることができなかった。 そして、彼女のあとを追って新撰組の門を抜け、京の町に走る歩みを進めた。 あの箱は、絶対取り戻さないと!! その気持ちだけが心を支配している私には。 その行動が、大きな事件に発展するなんて…思いもしなかった。