「……新八は体力も剣の技術も新撰組の中で五本の指に入るくらいの実力だ」




一君は、二人の勝負を見つつ言葉を並べる。




「しかし、姫時の動きは猫や蝶の様に緩やかで、かつすばしっこい」




猫や蝶を捕まえるのが困難なように




彼女を木刀で捕らえることは、容易ではない……。




一君の言葉に僕は、素直に頷けた。



現に新八さんの木刀は、彼女にかすりすらしていない。




なにかの舞のようなしなやかな動きで攻撃を避ける姫時ちゃん。




外から道場の中を覗く平隊士からは『綺麗だ』と声が上がる。