「姫時は、この勝負を…心から楽しんでいるな」 「……」 僕は一君の言葉を聞いて、彼女の表情を注目して見た。 ――――バシッ!! 木刀のぶつかる音が道場に響き渡る。 そして、乱れる髪の隙間から現れた彼女の顔を見て僕は驚いた。 笑っていた。 自分よりも数倍大きな男と勝負しながら、彼女は笑っている。 それは、余裕の笑みというより楽しんでいるような笑み。 「おそらくこの勝負。新八は……負ける」 一君の言葉に目を見開いた。