そんなお花さんの手紙と共に、もう一枚紙があった。




見れば、綺麗なお花さんの字とは対照的に大きく荒っぽい字でかかれた手紙。




間違いなく藤次郎さんからだった。




《剣術の鍛錬は怠るな

自分のできることに、全力を尽くせ

しかし、命を無駄にすることは許さぬ



お前の元気な姿を見ることを、待ちわびる》



お花さんとは対照的に、短い文だったけれど



心は温かくなった。




『藤次郎さん。字を書くの嫌いなくせに……』




藤次郎さんは字を書くのが嫌いで、

一文字すら書きたくない!!と前にいっていた事を思い出す




なのに沢山の文字が紙の上に荒々しく書かれている。

大きくて荒くて…お世辞にも綺麗と言えない手紙



でも、私の涙腺を爆発させるには十分すぎた。