折られた文を開いて目を通す。 《大切な我が娘 姫時へ 新撰組で、暮らしているとは本当ですか? それはさぞ、大変なことでしょう。 あんたは、いつも無茶をしますね こちらは心の臓がいくつあってもたりません。 今すぐなんて、無茶は言いません。 姫時の元気な姿が見たいです。 いつでも、戻ってきて良いのだからね あなたの家はこのお花と藤次郎の家なのだから》 お花さん……。 『ありがとう』 目に涙が浮かんだ。 お花さんの優しさとどれだけ心配してくれているのか この手紙一枚で伝わってくる。