「家が近くにあるならすぐに帰れといいたい所だが、彼女が暮らしていたのは江戸。
帰る道中に何かあるかもしれない。だから、容易に帰れなどいえない」
だから、軽く新撰組に縛ることができる小姓という役職を彼女に与えた。
ピクンッと微かに土方さんの肩が揺れた。
図星か…。分かりやすい人だ……。
笑みがこぼれるのを感じる
「……お前の恩人なんだろ。何があっても守りぬけ。厄介なのは平隊士だけではない」
そう一言言うと、土方さんは部屋の外に行ってしまった。
残された僕は、襖の隙間から見える青空を見つめ。
「そんなの分かってますよ」
そう呟くと彼女の元へ向かうため、居間を出た。


