「土方さん。藤堂です……今、話できるか?」
「あ?平助か……あぁ、入れ」
行灯の光が障子のおくからホワンッと漏れている。
結構遅い時間なのに、まだ起きてるんだ。
――――スッ
障子を藤堂さんは開くと
私を中に押し入れた。
『扱い雑すぎるでしょ』
「おい、なんだそいつは」
土方さんは私の姿を見て、眉間に皺を寄せた。
「巡察中に見つけた。
俺と左之さんの名前を知ってたんだよこいつ。
だから、怪しいと思ってつれてきた」
「ほぉ……平助。居間に近藤さんと幹部隊士を連れて来い」
「分かった」
スッと障子を開け出て行く藤堂さん。
私はこの後のことで不安のため息をもらした。


