「……姫時。

お前が会いたいという友人に

会えるといいな」



藤次郎さんは、そう言って

いつものようにニカッと笑った。



『はい!!』



「京についたら、

すぐに文を送るのよ!いいわね?」



『はい!!』



お花さんは、目頭に涙を抱えながら言う。



それに、私は大きな声で返事をした。




「……よし。いい顔をしているな!

ちょっとまってろ!!!!」




藤次郎さんは、家の戸を開け

家の中に駆け込んで入った。